紀北町商工会
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師走 しはす
サヨリ、トンボシビ、イセエビ

伊勢海老(イセエビ)

味はもちろん、姿の立派なこと、ゆでると殻が美しい鮮紅色になることから祝膳の装飾に珍重され、飾りえびとも呼ばれる。身はほんのりと甘く薄味、たいていの料理には姿を活かして用いられる。どんな調理法にも向くが、生きを求めその持ち味を活かして料理したい。頭は殻もよい出し汁が取れるので捨てないこと。お造りにしていただく場合は、冷やした器に大根のけん、青じそを敷き、尾先を立てて添え手前に造り身を置き、しそ、紅たででおろしわさびを添え、土佐じょうゆですすめる。鬼殻焼きにするときはみそを落とさないように、手早く焼き上げ、焼きたてを食べる。昔は「はしか」の薬として干した殻を家で保存していた。

魚の煮コゴリ料理

イガミ、ガシなどを煮つけにした後、身だけをほぐして、細かく切った野菜と合わせて煮汁にもどし、再び火にかける。野菜が煮えたら、火を切り、煮汁がカンテン状になるまで冷まし固める。

きほくの方言

ステッカイ(大きい)
(例)アンタノカ、ステッカイニャ
君のものか、大きいな

まつり

八朔踊り

12月上旬、長島港魚市場付近で当町の農林水産業を始め、商工業者が生産加工した製品や各種の商品を展示・即売し、同時に多彩なイベントも催される。会場は、毎年大勢の家族づれなどでにぎわう。

きほくの民話

しゃっぺ滝

 むかし、奥熊野に木津という小さな山村があった。その村に木こりの名人、しゃっぺさんといわれる人が住んでいた。木津を流れている大きな川の上流には、木々の生い茂ったどん詰まりに滝があった。しゃっぺさんは、その近くに掘っ立て小屋を建てて、泊まり込みで木を切ったり、刻んだりしていた。しゃっぺさんは、見るからに力持ちという人で働き者であった。それで木こり仲間から“腕が立つ、しゃっぺさん”といって慕われていた。
 ある日の昼休み。しゃっぺさんがナタを研いでいると、この辺りでは見かけたことのない鬼がやってきて、「それは、何じゃ。何しとるんじゃ。」と尋ねた。「これかぁ。鬼の首を切ってやっつけるもんじゃ。」それを聞いた鬼は、いつの間にか、こっそりといなくなった。しゃっぺさんは、あたりを探してみたがどこにもいなかった。
 それからいく日が過ぎた。しゃっぺさんが同じ場所で働いていると、どこからともなく、またあの鬼があらわれ、「この前研いだナタと違うが、どうしたんじゃ。」「もう切れんようになったから、捨てたんじゃ。」といったら、鬼は正体をあらわし、しゃっぺさんに襲いかかった。
 不意をつかれたしゃっぺさんは、倒れそうになりながらも鬼の首根っこをつかみ、まっ逆さまに滝つぼへ落ちていった。その後、しゃっぺさんの姿を見た人はいなかった。
 村人たちは、しゃっぺさんの人柄を思い、だれからともなく掘っ立て小屋があったところの滝を“しゃっぺ滝”と呼ぶようになった。

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